【ミステリー小説】湊かなえ 贖罪 書評 感想とおすすめ鬱ポイント【3選】

小説

雨の日は、片頭痛でカベ殴ってます。どうも、管理人のジャンゴです。

今回、オススメする小説はこちら!

  • 湊かなえ さん
  • 贖罪
  • 双葉文庫

文庫本の装丁が生々しいなと思い手に取り、あらすじを見て確信しました。

完全に報われないタイプの小説やん…

みなさんも見てくださいこの装丁。もう、おどろおどろしいですよね。内容はもっとおどろおどろしいものとなっています。いうなれば、鬱のオンパレード。鬱の魑魅魍魎です。

でも、それがいい。

今回はそんなダークネス度200%の鬱小説

「贖罪」を元“うつ病”経験者であるぼくの感想も交えながらレビューしていきたいと思います。

明確すぎるネタバレは避けていますが、レビューやあらすじ紹介の都合上、若干の詳細情報もでてきます。本質的なネタバレは避けてはいますが、事前情報ゼロで本書をみたい方は、みたあと、ここに舞い戻ってきてください!

では、いってみよう!

あらすじ

15年前、とある田舎町で「エミリ」という一人の少女が殺されてしまいます。その少女と一緒に直前まで遊んでいた「紗英」「真紀」「晶子」「由佳」の4人は、犯人と言葉を交わしているにもかかわらずなぜか顔を思い出せません。結局、情報が少ないため事件は迷宮入り。そんな結末に被害者であるエミリの母親は納得できず、4人に対して呪いの言葉を吐きます。「犯人をみつけろ。または一生をかけて償え」そして、この言葉を聞いた瞬間から4人の悲惨な人生が始まってしまいます。大きな十字架を背負う4人の成長・悲劇の連鎖・衝撃の結末までを克明に追った、鬱まっしぐらの物語。

あらすじを書きながら、ぼく自身も内容を思い出し、西野カナくらい震えてしまいました、スタバで。ブルブル。

おすすめ鬱ポイント【3選】

ぼくが本書を読んでいて、個人的に震えた鬱ポイントを厳選して3つ選びました。

読む前と、読んだ後の人生が変わってしまう力を持った最狂小説「贖罪」のカオスを、これでもかと詰め込みましたのでぜひ酔いしれてください。

それではどうぞ!

その1:手紙での告白

この本の冒頭の場面。エミリの母親「麻子」への手紙を書く「紗英」から始まります。

本書は章に分けると6章あり、その章ごとに事件関係者が麻子に向けて事件当時に話せなかったことや、その後の人生を生きていく中で思い出したことを赤裸々に告白していきます。

ぼく個人の感想としては、この紗英の告白が一番鳥肌物でした。もう怖いしハラハラするし心苦しいしで、読むのにえらく苦心したの覚えています。

小学校4年生にあがったばかりの女の子が、殺人現場を目の当たりにして、なおかつ死体を見たんです。トラウマになるに決まっていますよね?はい、もれなくみんな深く傷つき大きなおおきな“トラウマ”を抱えます。紗英も例にもれません。

そのトラウマのせいで大人になることを体が拒み、20歳をこえても生理が来ないという問題まで発生するほどです。しかもこれが、ただの病気ではなくとある複線の回収にもなるんですが、これも鳥肌で、ただただ湊かなえさんの発想力に恐ろしさを感じました。

この第一章の手紙での告白から、すべての鬱展開がスタートしていきます。最初からトップギアの鬱っぷりをぜひ読んで確認してみてください。

その2:誰一人報われない世界線

もうそのままです。誰一人救われません。報われません。でもものすごくいいところには着地してくれます。

ぼくの読んでいく中で生じた、心の声を4段階にわたって表現すると↓

  1. 「まじで…エグイて…」
  2. 「やりすぎでしょ…キツいて」
  3. 「あんたもかいな…」
  4. 「うーん、まあ、うん。しんど…」

結論:全部しんどい。

満場一致のしんどいさ。しんどいオブザイヤーではあるんですが、最後だけはなんかちょっと読んでるこっちからすると、ほんの少しだけ安心するというか、なんか救われるというか、ざまあみろって感じなんですよね。はい。

着地具合を日本の映画で表現すると

原田眞人監督の「検察側の罪人」っぽいなとぼくは感じました。

納得はし切らないけど「そうか、そうなったのね…」とやるせない感じになるあれです。

また以下の2作品

クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」

フランク・ダラボン監督の「ミスト」

これら2つの作品のように、視聴者をはるか彼方に置き去りにするような結末を迎えることはないのでこころから安心して「贖罪」をご覧ください。

ちなみにわたくしジャンゴは「インセプション」「ミスト」ともに大好きでございます。気持ちいくらいに視聴者を置いていく狂気ぶりに1週まわって尊敬の念すら抱くほどです。関係ないけどこの3つの映画もみてみてね。

その3:もっとも罪深いのはまさかの…

最後の最後にぶちかましてくれるのは、まさかの人物のまさかの告白なんです。

ぼくが「ええええええ、あんたも告白あるんかい、しかも特大!」と思わずスタバの座席を蹴り上げて雄たけびを上げたほどです。どんでん返しというほどではありませんし、それという匂わせはちらりちらりとあったので心の準備はしていましたが、それでもおおいに驚きました。

湊かなえ大先生は、最後のさいごまで読者を飽きさせずミステリーの奥底まで連れて行ってくれますよね。

小説を使って気持ちいくらいの奈落の底まで案内してくれる湊かなえ大先生が本当に大好きです。

若干の余談になりますが、本作を読んでいるとちょこちょことある人物が顔をのぞかせるんですが

、そいつくそ重要人物なので覚えててほしいなと思います。といっても、絶対忘れるし、途中まで印象ゼロのモブキャラなんですが、こいつがね。うん。つづきは本作を見てみてください。

まとめ・感想

さいごまで根気強くよんでいただきありがとうございました。

ぼくは数年前にうつ病になり、絶望と現実世界の狭間を反復横跳びする経験を味わいましたが、この本をよんだ後はなんだかあの鬱々とした気持ちに似たなにかを感じました。

  • 擬似うつ病を味わいたい方
  • 上がりきったテンションをブチ下げたい方
  • 鬱小説を読むことで既に下がっているテンションに「-」の掛け算をし「+」の感情になりたい方

上記に該当する人は、より本書「贖罪」を購入してみてほしいなと思います。

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あなたの快適な鬱々ライフを心より願っています。では、サラダバー。

前回、登校したおすすめの小説はこちら↓↓↓

投稿を編集 “【SF・ミステリー小説】井上悠宇「誰も死なないミステリーを君に」レビュー おすすめ 感想紹介” ‹ 繊細なジャンゴ — WordPress (django-blog-life.com)

贖罪とは違う方向性のミステリー、つまりワクワクドキドキ本の紹介なのでぜひみていってください!

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